HIPHOP PHILE
2015年3月18日に、韓国のアイドルグループの防弾少年団よりリリースされたアルバム「DARK&WILD」に収録される一曲です。
題名から推測できるとおり、
ヒップホップに染まった経緯や文化に身を置く心情を、ラップラインのRM、JHOPE、SUGAが三者三様に歌いあげています。
RMは周りからの抑圧や偏見にもまれながら、ビートのうえで自由に自分の思いを口にするときこそ自分らしくあれること
JHOPEは、ラッパーとしての経験の浅いながらも、ダンスを極めた独自の世界観でそのハンディキャップを吹き飛ばして聴衆を魅了すること
SUGAは、周りの人々の反対をおしきり、平凡な環境を捨ててヒップホップ文化に身を投じ、自信を持って音楽への愛を叫ぶこと
防弾少年団の根幹となる、ヒップホップへの強い思いを伺える一曲です。
こちらの英訳歌詞と考察を参考にしています。
*意訳を多く含みますので、苦手な方はご注意ください。
人々は何故俺たちが
ヒップホップを愛してるのか、
気になるみたいだ。
何故俺たちがその世界に人間になったのか、
みんな教えてくれよ。
<Verse 1: RM>
それは、新しい世界だった。
いつも物語や詩を書いていた俺のもとに、
突然、沈清が現れたかのようだった。
俺はいわば飛べない鳥で。
だけど、俺の目は目覚めたんだ。
*朝鮮の古く伝わる民話「沈清伝」より。沈清は主人公の女性で最後に盲目の父親に会って、目が見えるようになる、というシーンを踏まえているようです。
ところが人々は、
赤ん坊にしつこく聞く。
"なんでヒップホップなんか好きなんだ?"
そして、俺はこう答える。
理由なんか無いってね。
ヒップホップってそういうもんだろ。
特別なものなんてない。
エピックハイとか、
もちろん、
クラシックな"Illmatic"や"Doggystyle"
"In My Mind"、"KRS-ONE"
"Ready to Die"、"Eminem"
"The Chronic"に続く名盤"2001"
"Gang Starr"、"Brack Star"
"Eric B"、"Rakim"、"Pete Rock & C.L. Smooth"
みんなただ、イキってたのさ。
*They juss keep poppinマジでわかりませんでした〜なにかの曲名なのかな?jussのつづりも謎だし🙄わかる方いたら教えてくださいませ〜
keep it poppin'という表現があったので、そちらを採用致しました💦
俺が聴いてきたのも、そういうもん。
俺はばあさんみたいに、
たくさん言いたいことがあった。
ほかの連中が言うことじゃ物足りなくて。
最初は、嘘に嘘を重ねて、
それがいずれ歌詞と呼ばれるもんになった。
ああ、
これだった。
これだったんだよ。
俺が俺になれるとき。
ノートブックの真っ白なページの上で、
自分を描く。
それを消して、空っぽにして。
ビートの上では、俺は自由。
7年前だって、
いや、今だって。
いつだって同じ。
その瞬間こそ、一番俺らしいんだ。
<Chorus>
お前のラップに、
俺の血は沸き立つ。
お前のリズムに、
心が踊る。
*I'm downは賛成する、その話に乗る等を意味するスラングらしいので自由に訳しました。
お前のつくるそれに、
いつだって俺の心臓は鼓動をうつ。
本当の俺にしてくれるんだ。
ああ、そうだよ。
俺はそれが好きなのさ。
(Hip Hop!)
人の匂いがある。
(Hip Hop!)
人生を記したもの。
(Hip Hop!)
俺の人生の一部なんだ。
(Hip Hop!)
ああ、それが俺のヒップホップだ。
<Verse2: J-HOPE>
へえ、
俺のヒップホップに入門か?
憑依するように自分の身体を感じるんだ。
ブガルー
キングタット
オールドスクールのリズム
*すべてダンスの種類の名前
俺のライムと舌を
ビックビットの信頼の上にのせて。
光を帯びていく、
このラップダンスの時代。
そうさ、俺のロールモデルは
"Dynamic Duo"、"Verval"、"Epick High"
自分のことを語るには
まだまだ未熟な俺だ。
だけど舞台の上で飛べば、
無名なんてものは崩れ去る。
なにもわからなくて竦む俺を、
奮い立たせる。
俺の心臓を通して鳴らす、
アーティストリング。
みんな自分の身体で表現してきただろ、
"Biggie"も"2Pac"も"Nas"もさ。
自分自身のことをもっと理解できた。
祈りを捧げるHope World
俺は俺だけの世界を確立したんだ、
"Cole World"のごとく。
奴は"Friday Nights"から輝いてきた。
*おそらくJ.Coleのアルバムとミクテから引用してると思われます。J.Coleが作った世界のように、自分の世界を確立したいのですね。
インスピレーションを受け、
自分の曲を書くんだ。
"Mac Miller"、"Kanye"、"Kendric"、
奴らの音楽は、俺の耳をぶちぬく。
俺の人生の世界線、
もっと狂ったものになっていく。
終わることのなく溢れるだすつむぎ言葉、
最高だろ?
すべてが俺が選びあげた感覚だ。
ラップってのがなんであれ、
ダンスってのがなんであれ、
俺の感受性の交錯さ。
なんせ俺の人生は
ヒップホップに溶けちまってる。
今日は暴れまくってやるぜ。
この夜に、
そして俺の身体でな。
まるでA$APの気分さ!
*A$AP RockyのWild For The Nightから引用しているようです。
<Chorus>
お前のラップに、
俺の血は沸き立つ。
お前のリズムに、
心が踊る。
お前のつくるそれに、
いつだって俺の心臓は鼓動をうつ。
本当の俺にしてくれるんだ。
ああ、そうだよ。
俺はそれが好きなのさ。
(Hip Hop!)
人の匂いがある。
(Hip Hop!)
人生を記したもの。
(Hip Hop!)
俺の人生の一部なんだ。
(Hip Hop!)
ああ、それが俺のヒップホップだ。
<Verse3: SUGA>
ヒップホップが俺を見つけたんだ。
母さんを探す子供のようにさ。
ソイツは、俺の人生にするりと入りこんできた。
そのときはただの小学生だった。
そして俺の夢は出来上がる。
"ラップスターになりたい"
ほかのやつらと同じように。
他人と同じ生き方するのはごめんだった。
ああ、ませたガキだったよ。
だけどな、
たとえ人々が俺を押さえつけようとも、
俺を警告しようとも、
ヒップホップが俺を支配する。
俺は変わっちまったんだ。
幼い俺はよく歌詞を書いてた。
ノートブックの隅にのせた
16小節。
*ラップバトルでは8小節か16小節で行われるんだそう。
ありがたかったよ、
おかげで平和な生活を投げ捨てられた。
大邱の南山洞にあるスタジオに向かったんだ。
一晩中閉じこもって、ペン先は丸くなる。
努力の末には、
学校で習う記号の代わりに、
頭は俺のライムでいっぱいになった。
俺の夢を叶えたライムでな。
みんなはこう聞く。
ヒップホップは一体なんなのかと。
そして俺は、
自信を持って答えてやるんだ。
"俺の全て"だと。
結果として俺の人生は、
音楽に埋め込まれた。
もし、愛するこの文化が罪だとするなら、
俺はそれこそ、
腐るほどに腹切って死んでんだよ。
<Chorus>
お前のラップに、
俺の血は沸き立つ。
お前のリズムに、
心が踊る。
お前のつくるそれに、
いつだって俺の心臓は鼓動をうつ。
本当の俺にしてくれるんだ。
ああ、そうだよ。
俺はそれが好きなのさ。
(Hip Hop!)
人の匂いがある。
(Hip Hop!)
人生を記したもの。
(Hip Hop!)
俺の人生の一部なんだ。
(Hip Hop!)
ああ、それが俺のヒップホップだ。